「CIDR+CIDR結合」ツールのメリットが分かりやすいケースに出会ったのでご紹介
2018/04/26
当サイトでは、複数のCIDR形式によるIPアドレス範囲同士を結合し、
より少ない行数で重複を無くし可能な限りCIDR形式をまとめる機能を提供しています。
CIDR形式は .htaccess ファイルなどでIP制限する場合などに便利ですが、
都度、IPアドレス範囲を追加していくと行数が増え負荷が大きくなっていきます。
今回「CIDR+CIDR結合」の意味が分かりやすいいい例が見つかりましたのでご紹介しておきます。
目次
「CIDR+CIDR結合」ツールのメリットが分かりやすいケース
当サイトで「CIDR+CIDR結合」ツールをご紹介していますが、
いまいち、どうやって使うのかが伝わりにくい部分もあると思っています。
そんなもの必要なのか?という疑問を含めて、
以下の例でご紹介します。
「株式会社ケイ・オプティコム」割当ネットワークアドレス「119.228.0.0/14」の例
JPNICにて、グローバルIPアドレスの範囲を、
どの組織に対して割り当てるのかという管理が行われています。
例えばeo光でおなじみの「株式会社ケイ・オプティコム」には、
非常に多くのIPアドレス範囲が割り当てられていますが、
その一つとして「119.228.0.0/14」という範囲があります。
JPNICのサイトでも確認することができます。
119.228.0.0/14|JPNIC Whois Gateway
URLの先のページを確認すると、以下の様な情報が確認できます。
[ JPNIC database provides information regarding IP address and ASN. Its use ]
[ is restricted to network administration purposes. For further information, ]
[ use ‘whois -h whois.nic.ad.jp help’. To only display English output, ]
[ add ‘/e’ at the end of command, e.g. ‘whois -h whois.nic.ad.jp xxx/e’. ]Network Information: [ネットワーク情報]
[IPネットワークアドレス] 119.228.0.0/14
[ネットワーク名]
[組織名] 株式会社ケイ・オプティコム
[Organization] K-Opticom Corporation
[管理者連絡窓口] JP00014196
[技術連絡担当者] JP00014196
[Abuse] abuse@ml.tech.k-opti.com
[割振年月日] 2008/02/28
[最終更新] 2018/01/22 17:47:04(JST)上位情報
———-
該当するデータがありません。下位情報
———-
株式会社ケイ・オプティコム (K-Opticom Corporation)
K-OPTICOM [割り当て] 119.228.0.0/17
株式会社ケイ・オプティコム (K-Opticom Corporation)
K-OPTICOM [割り当て] 119.228.128.0/17
株式会社ケイ・オプティコム (K-Opticom Corporation)
K-OPTICOM [割り当て] 119.229.0.0/17
株式会社ケイ・オプティコム (K-Opticom Corporation)
K-OPTICOM [割り当て] 119.229.128.0/17
株式会社ケイ・オプティコム (K-Opticom Corporation)
K-OPTICOM [割り当て] 119.230.0.0/17
株式会社ケイ・オプティコム (K-Opticom Corporation)
K-OPTICOM [割り当て] 119.230.128.0/17
株式会社ケイ・オプティコム (K-Opticom Corporation)
K-OPTICOM [割り当て] 119.231.0.0/17
株式会社ケイ・オプティコム (K-Opticom Corporation)
K-OPTICOM [割り当て] 119.231.128.0/18
株式会社ケイ・オプティコム (K-Opticom Corporation)
K-OPTICOM [割り当て] 119.231.192.0/19
株式会社ケイ・オプティコム (K-Opticom Corporation)
K-OPTICOM [割り当て] 119.231.224.0/19
下位情報の部分には「119.228.0.0/14」アドレス範囲を、
さらにどのように分割して、どこの組織に割り当てているのかが表示されています。
※この場合「株式会社ケイ・オプティコム」→「株式会社ケイ・オプティコム」ですので、
自社サービスにてこのIP範囲のすべてを利用していることが分かります。
下位情報のアドレスそれぞれを「CIDR+CIDR結合」の実行
今回の例で言えば、下位情報に表示されているIPアドレスは以下のようになっています。
- 119.228.0.0/17
- 119.228.128.0/17
- 119.229.0.0/17
- 119.229.128.0/17
- 119.230.0.0/17
- 119.230.128.0/17
- 119.231.0.0/17
- 119.231.128.0/18
- 119.231.192.0/19
- 119.231.224.0/19
それぞれの範囲はぱっと思い浮かべるのは難しい事と思いますが、
このリストをそのまま以下ページの「入力リスト」欄に貼り付けて実行します。
実行した結果が以下のようになります。
元CIDRリストのソート結果
「元CIDRリストのソート結果」部分では投入されたCIDRリストを、
範囲順に並べ替えを行ってデータの有効性チェックを行っています。
それぞれのCIDR範囲はこの部分でオリジナルデータとして確認できます。
No | 入力CIDR | 入力ネットワークCIDR | 範囲 | 備考 |
---|---|---|---|---|
0 | 119.228.0.0/17 | 119.228.0.0/17 | 119.228.0.0 - 119.228.127.255 | 有効データです |
1 | 119.228.128.0/17 | 119.228.128.0/17 | 119.228.128.0 - 119.228.255.255 | 有効データです |
2 | 119.229.0.0/17 | 119.229.0.0/17 | 119.229.0.0 - 119.229.127.255 | 有効データです |
3 | 119.229.128.0/17 | 119.229.128.0/17 | 119.229.128.0 - 119.229.255.255 | 有効データです |
4 | 119.230.0.0/17 | 119.230.0.0/17 | 119.230.0.0 - 119.230.127.255 | 有効データです |
5 | 119.230.128.0/17 | 119.230.128.0/17 | 119.230.128.0 - 119.230.255.255 | 有効データです |
6 | 119.231.0.0/17 | 119.231.0.0/17 | 119.231.0.0 - 119.231.127.255 | 有効データです |
7 | 119.231.128.0/18 | 119.231.128.0/18 | 119.231.128.0 - 119.231.191.255 | 有効データです |
8 | 119.231.192.0/19 | 119.231.192.0/19 | 119.231.192.0 - 119.231.223.255 | 有効データです |
9 | 119.231.224.0/19 | 119.231.224.0/19 | 119.231.224.0 - 119.231.255.255 | 有効データです |
CIDRの結合・統合処理の詳細
「CIDRの結合・統合処理の詳細」部ではCIDR形式の各行を、
連続する部分は連続結合し、119.228.0.0 - 119.231.255.255のように、
1連続範囲を求めていきます。
連続が途中で切れている場合は、また別の連続範囲を求める処理を行いますが、
この例では1つの連続するCIDR範囲であったことが分かります。
全ての範囲が119.228.0.0/14の1範囲に集約できる事が分かります。
No | 入力値CIDR | 入力ネットワークCIDR | 統合前範囲 | 先No | 後No | 連続範囲 | 統合後CIDR | 統合後範囲 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 119.228.0.0/17 | 119.228.0.0/17 | 119.228.0.0 - 119.228.127.255 | 0 | 0 | 119.228.0.0 - 119.231.255.255 | 119.228.0.0/14 | 119.228.0.0 - 119.231.255.255 |
2 | 119.228.128.0/17 | 119.228.128.0/17 | 119.228.128.0 - 119.228.255.255 | 0 | - | - | - | - |
3 | 119.229.0.0/17 | 119.229.0.0/17 | 119.229.0.0 - 119.229.127.255 | 0 | - | - | - | - |
4 | 119.229.128.0/17 | 119.229.128.0/17 | 119.229.128.0 - 119.229.255.255 | 0 | - | - | - | - |
5 | 119.230.0.0/17 | 119.230.0.0/17 | 119.230.0.0 - 119.230.127.255 | 0 | - | - | - | - |
6 | 119.230.128.0/17 | 119.230.128.0/17 | 119.230.128.0 - 119.230.255.255 | 0 | - | - | - | - |
7 | 119.231.0.0/17 | 119.231.0.0/17 | 119.231.0.0 - 119.231.127.255 | 0 | - | - | - | - |
8 | 119.231.128.0/18 | 119.231.128.0/18 | 119.231.128.0 - 119.231.191.255 | 0 | - | - | - | - |
9 | 119.231.192.0/19 | 119.231.192.0/19 | 119.231.192.0 - 119.231.223.255 | 0 | - | - | - | - |
10 | 119.231.224.0/19 | 119.231.224.0/19 | 119.231.224.0 - 119.231.255.255 | 0 | - | - | - | - |
このように運用上、細かく細分化して利用されているIPアドレスの範囲を、
1つにまとめた方が、.htaccessに記述しやすい(行数削減)など、
使う目的によって様々です。
そうした時に、結合と分割に当サイトのツールをご活用頂けたらと思います。
またIPアドレスの範囲を個別に指定して、
範囲指定外のIPアドレスを含まないようにCIDR化するツールもご紹介しています。
本サイトで公開しているツールについては、
十分にテストは行っておりますが個人で作成している為、
潜在的なバグがないとは言い切れません。
その為、ツールを用いた結果については十分検証の上ご利用ください。
当サイトおよび、管理人は如何なる損害もその責を負いません。
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ありがとうございます。
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