IP・サブネットマスクから手計算でネットワーク情報を求める
IPアドレスとサブネットマスクからネットワーク情報を求めるには、
ちょっとしたコツがあれば手計算でも行うことができます。
ここでは、簡単な手順で求める方法をご紹介します。
- IPアドレス:192.168.10.25
- サブネットマスク:255.255.255.240
この条件からネットワークIP、ブロードキャストIP、CIDR、IP数などの、
ネットワーク情報を手計算で求めます。
※尚本文中のCIDR値などリンクをクリックすると、
ネットワーク範囲を確認できます。
目次
ネットマスクの算出
ネットマスクとは「192.168.0.0/24」などの「/24」部分の、
プレフィックス表示部分を示します。
※/24の場合、サブネットマスクは255.255.255.0になります。
今回、サブネットマスクが「255.255.255.240」です。
この場合、第四オクテット部が途中ビットまでマスクされている状態です。
第四オクテット部分のマスクされていない部分のビット数を先に求めます。
256-240=16 (※256=2の8乗)
求められた値「16」は、
1つのネットワーク内のIPアドレス総数になります。
項目 | 値 |
---|---|
IPアドレス総数 | 16 |
この計算については以下でご紹介しています。
オクテット部分が第三オクテットなどの場合(255.255.240.0など)には、
そのオクテット部分のみに対してこの計算を行います。
次に、この16が2の何乗かを求めます。
指折り呪文を唱えながら数えます。
「にー、よん、ぱー、[いちろく]、ざんにー、ろくよん、いちにっぱ、にごろ、ごーいちに」
>>> 2,4,8,[16],32,64,128,256,512
2の4乗であることがわかります。
※指折り4本目のいちろく
検算
255.255.255.240をビットパターンにすると、
「11111111.11111111.11111111.11110000」となります。
ここで求めた4乗は、ホスト部を示す0の個数と一致します。
IPアドレスは32桁(32bit)で構成されていますので、
ネットマスク部分は、
32-4=28
となります。
※ネットマスクは頭からの1の立ったビットの個数(28個)
ネットマスク:/28
項目 | 値 |
---|---|
ネットマスク | /28 |
オクテット部分が第三オクテットなどの場合(255.255.240.0など)には、
第四オクテット部分のビット桁数の8を、
それぞれオクテットの数分さらに減算します。
- 第一オクテット:-24
- 第二オクテット:-16
- 第三オクテット:-8
32-4-8=20 → /20
また16が2の4乗であり、それがIPアドレスの総数でしたが、
オクテットが1,2,3の場合にはこのホストビットの数分乗算した数が、
IPアドレスの総数になります。
32-20=12 (/20の時のホスト部ビット数:12)
この場合、2の12乗ですので、
電卓で「2×1=2」と計算します(この時点で1乗までは完了)
続けて「=」を連続して押します。
2,3,4,5、と数えながら、12回連打します。
結果には「4096」と結果に表示されます。これが2の12乗です。
※頑張れば手計算可能とする。
この4096が「/20」の1ネットワークのIPアドレス総数です。
ネットワークIPアドレスの算出
ネットマスクが求まったので、
次に、ネットワークIPアドレスを求めます。
IPアドレスが「192.168.10.25」ですので、
この25部分がどのネットワーク帯に収まるのかという部分です。
サブネットマスクからサブネットワークの分割数を求めます。
256/16=16
分割数が16ですので、
255.255.255.240のサブネットマスクでは、
第四オクテット部分で16個のサブネットワークが構成できます。
それぞれ、0~15、16~31、32~47・・・と16 IP間隔になっています。
現在のIPアドレスの第四オクテット部の値を16で除算します。
25/16=1.5625
桁を切り上げて正数にすると「2」となります。
2つ目のサブネットワークに「25」が含まれています。
1つ目が0から始まるネットワークなので、
2-1=1 から、
16x1=16
第四オクテット部の最初の数字が16となります。
これがネットワークIPアドレスの値になります。
192.168.10.16
項目 | 値 |
---|---|
ネットワークIPアドレス | 192.168.10.16 |
ネットワークIPアドレスとネットマスクが求められましたので、
このネットワークは、192.168.10.16/28 であることがわかります。
項目 | 値 |
---|---|
CIDR | 192.168.10.16/28 |
オクテット部分が第三オクテットなどの場合(255.255.240.0など)には、
求めたネットワークIPの値を第三オクテットなどに割り当てます。
(IPアドレスが「192.168.25.xxx」の場合)
残りのオクテット部分はネットワークアドレスの場合0になります。
※最小値となる
192.168.16.0 よって、192.168.16.0/20
ブロードキャストアドレスの算出
ブロードキャストアドレスは次のサブネットワークの、
ネットワークIPアドレスの1つ前までの値になります。
求めた値からブロードキャストIPの値を求めます。
16(現在のネットワークIP)+16(ネットワークIP数)=32
この32は次のサブネットワークのネットワークIPアドレスの値になりますので、
-1をしてブロードキャストIPアドレスの値を求めます。
32-1=31
ブロードキャストIPアドレスは、
192.168.10.31 であることがわかりました。
項目 | 値 |
---|---|
ブロードキャストアドレス | 192.168.10.31 |
オクテット部分が第三オクテットなどの場合(255.255.240.0など)には、
求めたネットワークIPの値を第三オクテットなどに割り当てます。
(IPアドレスが「192.168.25.xxx」の場合)
残りのオクテット部分はブロードキャストアドレスの場合255になります。
※最大値となる
192.168.31.255
IPアドレス数とホスト数の算出
IPアドレスの個数は、既に16個と求まっています。
ネットワーク内のIPアドレス総数のうち、
ネットワークIPアドレスとブロードキャストIPアドレスは、
ホスト(端末)に割り当てることができない特殊なIPアドレスです。
その為、IPアドレス総数からこの2個のIPアドレスを減算します。
16-2=14
ホスト数は 14個 であることがわかります。
項目 | 値 |
---|---|
ホストIPアドレス個数 | 14 |
オクテット部分が第三オクテットなどの場合(255.255.240.0など)でも、
求めたネットワークIPの総数(4096)からー2で求められます。
4096-2=4094
この場合、4,094個になります。
求めた値
これで、基本的なIPアドレスの情報が求められました。
これまでに計算で求めた値を一覧にします。
第四オクテット部のサブネット分割時
項目 | 値 |
---|---|
IPアドレス | 192.168.10.25 |
サブネットマスク | 255.255.255.240 |
ネットマスク | /28 |
IPアドレス総数 | 16 |
ネットワークIPアドレス | 192.168.10.16 |
CIDR | 192.168.10.16/28 |
ブロードキャストアドレス | 192.168.10.31 |
IP範囲 | 192.168.10.16 - 192.168.10.31 |
ホスト範囲 | 192.168.10.17 – 192.168.10.30 |
ホストIPアドレス個数 | 14 |
第三オクテット部のサブネット分割時
項目 | 値 |
---|---|
IPアドレス | 192.168.25.0 |
サブネットマスク | 255.255.240.0 |
ネットマスク | /20 |
IPアドレス総数 | 4096 |
ネットワークIPアドレス | 192.168.16.0 |
CIDR | 192.168.16.0/20 |
ブロードキャストアドレス | 192.168.31.255 |
IP範囲 | 192.168.16.0 - 192.168.31.255 |
ホスト範囲 | 192.168.16.1 – 192.168.31.254 |
ホストIPアドレス個数 | 4094 |
このようにして、手計算でも十分にネットワーク情報を、
計算することができます。
さいごに
慣れてしまえば簡単ですが、慣れるまでは不安になってしまうものです。
手計算を普段から心がけて練習し、
都度、検算をインターネットのツールを利用して確認するといいでしょう。
ネットワーク関連の試験では、
できて当然と言う計算になるので慣れておくといいでしょう。
今回はあまりビットパターンを利用しませんでしたが、
ビットパターン(2進数)と10進数の変換が必要になる場合もあります。
そんな時でも簡単に手計算で双方の変換が行えます。
尚、IPアドレスとサブネットマスクから、
ネットワークIPアドレス・CIDRを求めるツールを以下でご紹介しています。
より詳細なIPアドレスの範囲やホスト数、
含まれるIPアドレスの確認などが必要でしたら以下で確認できます。
併せて使ってもらえると幸いです。
ちょっと面倒ですがWindows電卓でもこうした計算は行えます。
本サイトで公開しているツールについては、
十分にテストは行っておりますが個人で作成している為、
潜在的なバグがないとは言い切れません。
その為、ツールを用いた結果については十分検証の上ご利用ください。
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公開日:
最終更新日:2019/06/27